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不死鳥のクラスター#2 [taxonomy]


 前回に引き続き、今回はShtein et. al.(2021)の論文をもとにKalanchoe x houghtoniiの4つのタイプについて述べていく。最初に名前について整理しておきたいのだが、いわゆる「不死鳥」の学名はKalanchoe x houghtoniiということになるが、Kalanchoe x houghtoniiの和名というか栽培品種名は「不死鳥」ということにはならない。イコールで結べない訳は、「不死鳥」の名はKalanchoe x houghtoniiの中のひとつの品種につけられているに過ぎないからである。
 例えば柴犬も秋田犬もトイ・プードルも学名はCanis lupus familiaris(取りあえずここではオオカミの亜種として表記)だが、Canis lupus familiarisの和名は柴犬ではなく「イヌ」である。その下の品種名があるだろう、と反論される向きには残念ながら動物の命名規約上は亜種以下の分類単位が認められていない、と言っておこう。ここで言いたいのは、「不死鳥」という名はイヌの例で言うと「柴犬」とか「秋田犬」に当たるということである。


 では不死鳥を含めたKalanchoe x houghtoniiの総合的な和名とか園芸名みたいなものはないのか、と問われれば「ない」としか答えられない。仕方ないので、当ブログではホートニィと表記してきた。元々カランコエには標準和名を持つ種は殆どないので、好き勝手に呼んでしまっている。動物なら学名を元に和名をつけるのも一手だが、カランコエだし私的なブログだし、ということで学名をそのままカタカナ表記にすることにしている。これなら将来その種に和名がついても、何の問題もない。正直、ここで適当な和名もどきを作って何とかと呼んでも、そんな名前は絶対に普及しない。何故なら私は多肉植物の愛好会等も含めた園芸の世界とは、今のところ縁がないからである。という訳で、以下Kalanchoe x houghtoniiをホートニィと呼びたい。


 さてShtein et. al.(2021)で提唱された4つのグループとはどんなものであろうか。
1.各国で野生化して大型になるタイプ(元々はこれに学名が付けられた)
2.いわゆる不死鳥タイプ
3.キンチョウに近い外見の細い葉のタイプ
4.細葉のシコロベンケイとされていたもの
以上の分け方となる。この順番でMorphotype A~Dとなっている。そのまま内容を紹介していきたい。


■Morphotype A
 葉は槍形の長い三角形で半盾状葉となる。花色はオレンジというよりはマゼンタや赤色。いわゆる不死鳥よりも大型の葉なので、海外ではシコロベンケイと混同されることが多い。「海外では」というのは、日本ではこの形態の品種があまり見られないためである。その代り、日本では既にクローンコエをシコロベンケイと混同している。


 かつてShaw(2008)はこれをHoughtonが作出した2タイプのうちのひとつだと記したが、当のHoughton(1935)を参照すると本人はMorphotype Bしか発表していない。その後Baldwin(1949)はこの交配種を図示した記事を出したが、彼がそこで発表した染色体数は2n=51で明らかにに3倍体(すなわちMorphotype B = 不死鳥タイプ)である。一方Resendeは不稔性のもの、稔性のあるものに相当するのが3倍体・4倍体であるとしている。つまりMorphotype Aが4倍体、Bが3倍体ということになる。


 Shaw(2008)は多くの品種を紹介というか何というか、羅列しているわけだが、Morphotype AとしてはJ.T.BaldwinとJaws of Lifeが相当していてこの二つは結局同じものである。論文では触れていないが、解せないのはBaldwin(1949)がMorphotype Bについて発表しているのに、何故Morphotype AにJ.T.Baldwinなどと名付けたのかということである。Shaw(2008)を見るとJaws of Lifeは今でいうMorphotype Bのように勘違いしているので、単なる勘違いだったのかもしれない。
 さてその他にMorphotype Aに属する品種はフロリダで野生化しているKalanchoe x houghtoniiは勿論だが、イベリア半島の地中海沿岸やバレアレス諸島に帰化していて2014年に記載されたKalanchoe × houghtonii ‘Garbi’が含まれる。もっとも、個人的にはすべて同じものではないかと思っている。


 以上、Aタイプについて紹介したが、残りは次回紹介する。


ホートニィKalanchoe x houghtoniiの葉と花
x houghtonii (German)IMG_0707.JPG
x houghtonii (German)IMG_6409.JPG
Jaws of LifeIMG_3349.JPG

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不死鳥のクラスター#1 [taxonomy]


 何年か前に千葉県印西市の某ナーセリーを訪れたとき、実感を伴って「温室の雑草」という言葉を認識した。そのときベンケイソウ科中心の温室は、夥しい数のキンチョウ・シコロベンケイ・不死鳥に占拠されたかの如き状態であった。個人的には笑みがこぼれてしまったのだが、高価な多肉植物趣味の人々から疎まれる理由も理解した。しかしながら、これらの植物についてどれだけの知識が普及しているかと考えると、少なくとも一般書店に並ぶような書籍には殆ど情報がないことに気づく。
多肉植物の栽培ではなく植物自体の説明を試みるような本で、これらのカランコエを扱っているものは皆無に等しい。それもその筈で、未だに分類学的な研究はほとんど進んでいないのだ。例えばキンチョウやシコロベンケイの地域による種内変異さえ、まともな研究はない。そんな中、不死鳥というよりKalanchoe x houghtoniiについては、少し前のクローンコエの顛末記事の中で紹介した論文で、一旦の整理がついた。今回からそのことについて触れていきたい。


 この論文で整理したことは、いくつかある不死鳥の品種(?)を大きく4つにグループ分けしたことと、それら全てをKalanchoe x houghtoniiの学名で統一したことである。論文が掲載されたPhytotaxa誌は植物分類学雑誌なので、各論文中でいちいち命名規約について詳しく、あるいは平易に説明することはない。従って論文を読んでも、幾つかの異なるタイプの植物の学名が全てKalanchoe x houghtoniiとなることの理由が分からず違和感を覚える方も多いと思う。私も根拠を求めて規約を見まわして確認したので、ここで少し補足説明しておきたい。因みに規約は下記URLに全文が載っているので、誰でも内容を確認できる。


 国際藻類・菌類・植物命名規約 International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plantsの付則Ⅰ、H.4条を見ると、以下のようにあるので、この交配で出来た植物全ての学名がKalanchoe x houghtoniiを適用されると理解できる。
H.4.1. すべての親分類群が仮定できるか、または知られている場合、交雑種は指定された親分類群の交配から派生したと認識できるすべての個体を含む(つまり、F1だけでなく、その後の世代や逆交配および これらの組み合わせ)。 したがって、特定の交配型に対応する正しい名前は1つだけである。 これは、適切なランク(Art。H.5)で最も古い正当な名前(Art.6.5)であり、同じ交配型に対応する他の名前は、そのシノニムとなる(Art.52注4を参照)。


 件の論文の話に戻るが、ここでは知られる品種群をKalanchoe x houghtoniiのMorphotype A~Dとして分けている。当ブログでも不死鳥については何度かに分けて書いてきたが、良い機会なので論文紹介という形で(便乗して?)ここにまとめたことにしたい。


 さて論文をもとにKalanchoe x houghtoniiについて説明していきたい。
 記載はWard(2006)で”Cactus and Succulent Journal”誌にて発表されている。タイプ標本はD. B. Ward 10700がホロタイプで模式産地は米国フロリダのcentral Merritt Island。帰化している個体群の由来は不明。
 シノニムはないが、適格ではない名というか正式に記載されていない俗名としては、
Bryophyllum tubimontanum (Houghton, 1935)
Kalanchoe cv. Hybrida (Jacobsen, 1977)
等がある。
 来歴としては1935年にA.D. Houghton(米国)がシコロベンケイ×キンチョウの交配株を報告、そして1956年にResende(ポルトガル)も同様の2種を正逆の組み合わせで交配したことを発表している。その後Jacobsen(1977, 1986)はこの組み合わせの交配種を著書でも紹介しているが、1977の著書を見るとResendeの交配が対象である。


 次回は各形態タイプについて紹介したい。


Kalanchoe x houghtoniiの原記載を載せた雑誌
Ward CSJ.jpg

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クローンコエ顛末記2021 [taxonomy]


 以前の記事で紹介したResende&Viana(1965)の論文では当時KalanchoeとBryophyllumを別属として扱う見解があったことから、シコロベンケイ×ラクシフローラをBryophyllum属の2種の交配株と見なしてBryophyllum ×crenodaigremontianumと呼んでいた。これはResende&Viana自身が正規の学名ではないと明記しているが、この名をKalanchoe属に変更するとKalanchoe ×crenodaigremontianaとなる。これをどう勘違いしたか巷のデマではKalanchoe ×crenatodaigremontianaと読み違えている。

 そのこと自体は横目で流すとして、2020年に上記論文も参照してSmith(2020)はクローンコエを交雑種とした。その後約13ヶ月経ってクローンコエは再び独立種に戻った(Shtein et al., 2021)。この論文の共著者のひとりは他ならぬGideon F. Smith教授なので説得力もあろう。論題と掲載は以下の通り。
Aspects of the taxonomy of the Kalanchoe daigremontiana species complex (Crassulaceae subfam. Kalanchooideae) and associated interspecific hybrids in southern Madagascar, with the description of a new nothospecies, K. ×descoingsii (=K. laetivirens × K. tubiflora).
Phytotaxa 524 (4): 235–260

 さてここではSmith(2020)が指摘したようにクローンコエとResende&Vianaの交配株Bryophyllum ×crenodaigremontianumには大きな葉に模様がないという共通点はあるものの、大きな違いが6点あるとしている。厳密にはクローンコエとBryophyllum ×crenodaigremontianumや他の交配株との相違点と言える。他の交配株というのは著者のひとりが作出したシコロベンケイ×ラクシフローラ、及び既存の2種のシコロベンケイ×フェッシェンコイKalanchoe fedtschenkoiを指し、シコロベンケイ×Suffrutescentesグループ交配株とクローンコエの相違点を探っている。

 以下にShtein et al.(2021)での指摘事項を簡単に紹介していこう。
1.クローンコエは際立って葉縁不定芽を生成する種phyllo-bulbiliferous speciesだが、交配株は半構造的に不定芽生成するだけで、クローンコエに見られるようなペデスタル(台座)もないか不明瞭である。
2. クローンコエやシコロベンケイは越年草multi-annual plants(つまり二年草などライフサイクルで一度だけ花を咲かせる;例外的にその後も生き残ることがある)であるが、観察した交配株やラクシフローラ、フェッシェンコイは多年草である。但しBryophyllum ×crenodaigremontianumについては不明である。
3. クローンコエやその交雑種は栄養成長時にはあまり丈が伸びず、厚くて短い葉柄と大きくて広い葉身を持った疑似ロゼットを形成し、その後生殖成長時に入ると最大4倍以上に丈が伸び、より長い葉柄とより短く、より狭い葉身を持つ葉を発達させるという特異な性質がある。しかしResende&Vianaの交配株では確認できないものの、観察したその他の交配株やラクシフローラ、フェッシェンコイは、一般的なカランコエ同様に栄養成長時徐々に伸長し、しばしば枝分かれする。
4. クローンコエはBryophyllum亜属Invasores節の中では珍しく茎の基部が非常に広くて、下葉は厚い葉柄を持ち抱茎しており、茎に四角形の外観を与える結節nodal scars(ここ植物学的になんて訳すか分かりませんでした)をもたらす。この特徴はResende&Vianaをはじめとする他の交配株も含め、更にラクシフローラ、フェッシェンコイ、シコロベンケイにも見られない。
5. ResendeとVianaの交配株、他の似たような交配株、更にはK. x descoingsiiのような交雑種も含めて(稀なケースもあるにせよ)3列の欠刻葉が見られるが、クローンコエやシコロベンケイには見られない。
6. クローンコエは他の交配株と花にも相違が見られる。クローンコエの萼は短くて小さく、シコロベンケイとK. sanctulaに似る。これらに対し交配株はラクシフローラ、フェッシェンコイのような長い萼筒とクローンコエのような短い萼筒の中間的な長さである。また交配株の萼はラクシフローラ、フェッシェンコイ同様薄いが、クローンコエの萼は肉厚である。そしてクローンコエ、シコロベンケイ、K. sanctulaの花はピンク-パープルで緑ががった色が混じることはあってもオレンジ色の色素はない。しかし交配株はサーモンピンクや赤にラクシフローラやフェッシェンコイのオレンジが混じる。

 上記のような考察からShtein et al.(2021)ではクローンコエ交配種説を否定している。更にSmith(2020)が指摘した変形した花の高頻度の発生はシコロベンケイやK. sanctulaでも起こる事に言及して、反論している。先にも触れたように著者の一人はSmith自身なので、反論といっても前言撤回のようなものである。
 以上のような経緯があってクローンコエは再び独立種Kalanchoe laetivirensとして認識されたのであった。


Invasores節の花:萼筒の長さに着目
Invasores flowers.png

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クローンコエ顛末記2020 [taxonomy]

 子宝草=クローンコエについては、今までこのブログで何回か「シコロベンケイKalanchoe daigremontiana とラクシフローラ(胡蝶の舞)Kalanchoe laxifloraの交配種」というISI(International Succulent Introductions)が流布したデマについては全否定しておいた。興味のある方は下記のリンク先を参照願います。
クローンコエ ~神話の崩壊~
子宝草/クローンコエの真実を求めて(前編)
子宝草/クローンコエの真実を求めて(後編)

 さて、注意深いカランコマニアの人は英語版のWikipediaを初めとするいくつかのサイトで、クローンコエの学名がKalanchoe x laetivirensという交雑種の表記になっていることに気が付いたかもしれない。
Wikipedia

 これらのサイトの中には全くの思い違いからこの表記にしている場合もあるのだが、多くは2020年にPhytotaxa誌に掲載された次の論文が一因である。
Smith, Gideon F. (2020). "Taxonomy and nomenclature of Kalanchoe ×laetivirens (Crassulaceae subfam. Kalanchooideae), a further invasive nothospecies from Madagascar". Phytotaxa. 460 (1): 97–109.

 この論文の主旨はクローンコエが交雑起源の植物であることを論じ、そのため学名は交雑種表記でKalanchoe x laetivirensとするということだ。そこで研究史と同定、推定される起源について述べているわけであるが、いきなり1950~1963年にポルトガルのResendeが行った交配実験について紹介している。この交配ではシコロベンケイK. daigremontiana×ラクシフローラK. laxifloraの組み合わせも作出されており、その写真は以前上記のブログ記事「クローンコエ ~神話の崩壊~」に載せておいた。これを見るとこの交配株がクローンコエとは別物に見えるのだが、Smith教授はこの二者を似ているとした上で交配株は欠刻葉になるなど相違点もあると述べている。
 そのこととの関連性には触れないまま、K. x laetivirensが交雑起源であるとして、その根拠としてはクローンコエは花が形成不全になったり、少なくとも不規則な2色化が見られる、他のカランコエではそう見られないことをあげている。そして更にタイプ標本の採集株は野生個体でなくガーデンからの流出株であると書いているが、これは何の根拠にもならないと思われる。Descoings(1997)は本種の原記載で、その来歴について明確に述べている。そのことは上記にあげた過去のブログ記事で(少しばかり)詳しく書いておいたし、この後の論文(次回紹介)でも指摘されている。

 巷に蔓延るデマによる先入観もあってか、詳しい検証なしにクローンコエを交雑種としてしまったように見えるのだが、その親植物の候補としてはやはりシコロベンケイを上げている。Rauh(1995)ではクローンコエをグリーンタイプのシコロベンケイとして扱っていた事が根拠だが少し希薄である。もう一方の親はSuffrutescentesグループのどれかとしながらも、クローンコエの花にモザイクのように入る黄白色から黄花のラクシフローラが有力視されている。シコロベンケイとラクシフローラはマダガスカルのアンタナナリボにあるガーデンで交配株が作られたこともあり、栽培下では自然界よりも交雑しやすいと記しているがその意図は不明である。

 以上のように根拠はやや強引であるが、クローンコエは交雑種として扱われることになった。私個人としては不本意なことであったが、この約1年後に交雑種説は再度覆るのであった。


今回紹介した論文

スクリーンショット 2022-01-05 215816.png

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胡蝶の夢 [taxonomy]


 ブリオフィルム亜属Bryophyllumというよりその中の子宝草の仲間(Invasores節)で、最も好きな種であるラクシフローラKalanchoe laxifloraはマダガスカル中部から中南部にかけての中央高地帯に分布している。これと離れて南東部のタウラニャロTaolagnaro(フォール・ドーファン)付近からも記録があるが、これはKalanchoe ×lokaranaの誤認と思われる。K. ×lokaranaの原記載(Descoings, 2005)によるとラクシフローラと何かの交配種であろうとされているが、個人的におそらく両親はフェッシェンコイとマルニエリアナではないかと踏んでいる。このK. ×lokaranaにも2,3の型が知られており、以前子宝草目録で触れたサン・ルイ山Pic Saint Louisのものもその1型であろう。


 近藤ほか(1983)によると、ラクシフローラには3亜種(注;そこでの記載は「変種」)が記載されているが、識別可能な型は10以上に及ぶ、としている。記載された亜種は以前も紹介したことがある下記の3つである(Boiteau et Octave Mannoni, 1949)
Kalanchoe laxiflora ssp. violacea(基亜種に相当)
Kalanchoe laxiflora ssp. stipitata
Kalanchoe laxiflora ssp. subpeltata
 10以上ある各型は、このうちどれかに半ば強制的に振り分けることになるが、広大な彼の地にはまだ知られていない型も多々ありそうだ。近藤ほか(1983)が「10以上」と表現したのも、彼らが数次に及ぶマダガスカル遠征で確認しただけで10型はあったということだろう。
 因みに最近ではSmith & Figueiredo(2019 ; Bradleya 37)にて3亜種は全て適格に(valid)記載されておらず、無効名であることが述べられているが、ここでは区別できるものとして扱う都合上、以前の名を参考にしたいと思う。実際は不適格な名であることの一端として、基亜種名がKalanchoe laxiflora ssp. laxifloraではないことで既にアウトである。


 さて、この3亜種であるが子宝草目録でRauh(1995)の記述を基に特徴を記したが、今度はもう少し詳しく原記載(Boiteau et Octave Mannoni, 1949)から見てみよう。原文が仏語なので、多少の意訳があるが御容赦願いたい。

Kalanchoe laxiflora ssp. violacea  
葉は通常緑色、(葉身基部の)耳状部は発達が悪く、葉縁は赤みを帯びる。
萼は中央が膨らみ基部が狭く上部が広い。均一に紫がかり直径は8 mm 以上。花冠は赤かピンク。

Kalanchoe laxiflora ssp. stipitata
葉は茶斑があり、耳状部はあまりない。
萼は細くへこみ直径6 mmを超えない、縁の切れ込みに小さな赤い斑がある。
花冠は基部が約1㎜細く、色は赤、もしくはオレンジ・イエロー。
雄蕊は僅かに突出し、花弁は多少広がる。

Kalanchoe laxiflora ssp. subpeltata
葉は縁取りがあり、鋸歯の切れ込みは赤い。
大きな耳状部は上方に反り返り、ときにはそれがつながって盾状葉を形成する。
萼筒は卵形でくびれ、花全体の70%に達する(他の亜種では60%に達しない)。色は淡いグリーンで、ときに黄色がかり、切れ込みに斑がある。
花冠は赤、もしくはオレンジで先が広がる。
雄蕊はほぼ花弁の先まで突出する。


 この分類を亜種としてではなく、タイプ分けと見て手元の株を振り分けてみる。
Kalanchoe laxiflora ssp. violaceaタイプのもの 
laxiflora var. violacea typeIMG_4099.JPG

Kalanchoe laxiflora ssp. stipitataタイプのもの
laxiflora PR IMG_3977.JPG

Kalanchoe laxiflora ssp. subpeltataタイプのもの
laxiflora f IbityIMG_4931.JPG
laxiflora f  IbityIMG_3985.JPG

次の写真はstipitataタイプに似るが、今のところタイプ分け出来ない。
ラクシフローラ(cs)IMG_8889.JPG

 その他の上記のものも無理やり振り分けただけで、結構いい加減である。このように分類学的には難しい状況にあるが、(私にとっては)どれも魅力的な植物である。特に葉に模様の出るタイプは、我ながら愚かとは思いつつも集めたくなってしまう(つまり別タイプを見つけると欲しくなる)。かくして今日もKalanmaniaから子宝草マニアへと脇道に反れていくのであった。

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