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暖冬の恩恵 [others]

 前年の冬季は厳寒で3ヶ月間に多くの弊害をもたらし、灼熱の夏季はこれまた多くの犠牲者を輩出した厳しい一年であった。その埋め合わせをするかのようにこの冬は暖かく、厳しい期間を乗り切った植物たちにとっては福音である。まだ安全圏に達するまでは1ヶ月半ほどあるとはいえ、今から氷点下になって氷が張ることはなさそうである(あくまで埼玉南部基準の話です)。ベランダで計っている気温の記録を見ると、6年振りに氷の張らない冬となる見込みだ。むしろ急な気温上昇と日射により、ベランダに置いているフレームのビニールシート内で高温障害にならないか心配である。これはこれで過去にも大きな犠牲を輩出したのではあるが、絶対的な低温のリスクと比べればまだ対処のしようはある。


 暖冬のおかげで今季は様々な花が比較的早めに咲いた。いくつかは交配を試みていて、いずれ結果についても書いてみたいと思う。何しろビニールの中で真冬に開花するので、虫媒は望めないから手作業である。ビニールも全開には出来ないし、近年視力もかなり下がったので効率悪いことこの上ない。とはいえ、花は咲いてくれること自体で楽しい、うれしい、面白いと3拍子揃っているので、見ているだけでも結構満足できる。この辺の割り切りは、年を取ったことの利点であろうか。
 花が咲いて「面白い」というのはどういう感覚かというと、Bryophyllum亜属というかInvasores節に限ったことかもしれないが、萼筒と花筒の形や比率からその植物がどの系統に近いかとか、交雑種であればどの親の形質が強く表れているのかといった興味を刺激したり満たしたりしてくれるということだ。最近は野生交雑種だけでなく人工交配したものも多く、花を見るのが面白いと感じる次第である。


我が家では今年初めて咲いたK. beauverdiiと黄花のK. miniata
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様々な交配株も開花している
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 暖冬の恩恵は寒さのリスク軽減と早期の開花が主であるが、その他にもこの時期に入手できる下垂型の花卉が比較的安全に育つということも挙げられる。子宝草以外にも下垂型花卉とか欠刻葉の種、一部の木本性種が個人的に好きなのだが、下垂型花卉は昨年の夏にほぼ全滅してしまったので、今年からまた徐々に入手することにした。といいつつ今年の1-3月は個人的な都合であまり活動できないので、近隣の花屋を回る程度なのだがなかなか楽しかった。
近くでも収穫はあった
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こんな切り花も発見
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 おまけに暖冬の影響でいつもの冬には滅びてしまう路上のキンチョウK. tubifloraも今季は健在だった。亜熱帯ではないのでこのまま増え続けても次の冬には滅びてしまい、本土で帰化しないため安心して楽しめる。
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かように(植物趣味に限っては)今季は幸せな冬を過ごしているが、それでもやはり春は待ち遠しい

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