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寒波襲来!! 結晶世界 [cultivation]

 世界各地の気温の変化を見ると上昇しているところもあれば下降しているところもあるが、かつての地球温暖化という言葉が近年は気候変動という言葉にすり替えて表現されているに苦笑してしまう。全体的には温暖化傾向にあるのかもしれないが、1850年代に小氷期が終わった地球が二酸化炭素と関係なくゆっくりと温暖化していくのは道理である。温室効果ガスのせいで温暖化していくのであれば、ノーカーボンなどとケチなことは言わずに温室効果ガスの90%以上を占める水蒸気を何とかしたらどうか。人間の活動と関係ないので、誰かの金儲けのネタにはならないが。。。
 とかいう与太話はさておき、昨年・今年の冬の寒さを思うとカランコ趣味も不安定この上ない。ここ10年ほど冬のベランダの気温を見ているが、大体一冬に3回ほど氷が張る。例外的に2018-19の冬は氷が張らなかったし、翌年もかなり暖冬であった。大体氷が張る時期というのは、1月中旬、1月末、2月上旬の3回が定番である。寒さが厳しかったのは以前ブログにも泣き言を書いた2017-18の冬で、1/13に最初の氷が張り、その後1/24から1/28まで連続5日間氷が張り、その間の最低気温は▲3℃であった。そこで起きた悲劇をここで繰り返し述べることは避けるが、この冬はこれを上回る危機が訪れた。

 2021-22の冬はこの10年で初めて12月に氷が張った。もっと前からの経験も踏まえて、埼玉のこの辺りでは地表で氷結してもマンションのベランダで年内に氷が張ることはなかった。それが一昨年あたりから12月中旬に既に最低気温が0℃に下がるようになった。その代わり3月に入るとかなり温暖になり、下旬に一度寒の戻りがある程度で寒さを脅威と感じなくてすむ状態だ。冬の時期が半月ほどずれてきた感がある。もっとも気候の変化のスパンは数十年単位で見ないと何も言えないであろう。
 そしてこの冬だが、マスコミが「10年に一度の寒波」といういつものようなフレーズで喧伝していたことが本当になった、という奇跡が起きた(皮肉です)。1/24~1/26の3日間に及んで最低気温は氷点下に下がった。1/24の21:00には▲1.5℃に下がり、バケツに氷が張って翌朝は▲4℃以下になった。この10年でも最低の気温である。13:00までは0℃以下が続き、昼も3℃以上に気温は上がらず夜中にはまた0℃を下り翌朝には▲3℃まで下がった。ベランダには5本のフレームを置きビニールで覆っているが、この外気温に長時間さらされたら、内部の温度はどのくらい下がるのか。開けて計るわけにもいかず、天のみぞ知る運に任せるしかなかった。

 不幸中の幸いが2つあり、ひとつは事前に複数の天気予報で予想気温を見ていたのでビニールカバーを4-5枚重ねて、さらに家にあった段ボールで足元を覆って寒さに備えたこと。もうひとつは昼の気温は非常に低いものの、天気は晴れだったことだ。陽光が射せばフレームの中は温度が上がる。おかげでダメージを受けた植物は多かったものの、死滅した種類は比較的少なくて済んだ。

 予備に購入していたフレームのビニールカバーは一気に使い切ってしまったが、今回のような寒波でも何とか切り抜けることが可能ということが分かった。ちなみに寒さに耐えきれず死んでしまったカランコエは、ビニールに張り付くように密着していた交配株やフレームとは別でビニールを2重に掛けただけのプミラである。プミラは零下でも生き延びる種であるが、流石に今年は寒すぎた。また、ディンクラゲイ、ミロティ(本当はミロイと呼ぶのだろうな)、アルボレスケンス、フミフィカ等はダメージが大きかった。しかし置き場所の問題(位置関係)もあるので、一概にこれらが他種よりも寒さに弱いとまでは言い切れない。
 今年は特別な試練の年で、来冬からは緩和されることを切に望みたい。

この気温では氷も厚くなる
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ビニールに張り付いていた交配株や防寒不足のプミラはこんな結果となった
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カイガラムシ撃退作戦 [cultivation]

 もういつもの社会的な嫌味・揶揄を含んだ駄文は止めようと思ったが、思わぬところでCoV騒動の影響に直面してしまった。世にいう3密というのが三密加持で免疫力を高めるという意味だったら支持したいが、CoV感染に対して効果的な予防策のひとつは手洗で、もう一つは消毒である。
 その為消毒用で使用する人が急増し、薬局から無水エタノールが消えてしまい、極めて入手困難な状態なのだ。エタノールをスプレー容器に入れてカイガラムシ退治に使用していることは前に書いたことがあるが、どの薬剤より効果的だ。特に肉眼では見つけにくい幼虫も、間をおいて数回散布すると駆除できる。

 幸いなことに今年はカイガラムシがほとんどいなくて、手元に残っていたエタノールで大体処理可能である。今年のカイガラムシは冬期に室内に取り込んだ植物に発生する程度で、ベランダのフレームに入れておいた植物には付いていなかった。というのも今年の冬は、ちょっと思い切った対策を試してみたのだ。
 長年カイガラムシとの抗争を続けてきたが、最近ようやくカタカイガラムシ型の発生を見なくなった。ところがそれに代わってここ2、3年ワタカイガラムシ型のカイガラムシが発生してきて、エタノールやカイガラムシにも効果が謳ってある殺虫剤の散布を行っていたが、相変わらず苦慮していた。なんとか一掃できないものかと悩んでいたところ、ふとある方が昔カメに付くダニの駆虫にバポナを使う話をしていたことを思い出した。無脊椎動物の呼吸器系に作用するので、カメは平気だがダニはやられると言っていた。
 調べてみると商品名は「バポナ 殺虫プレート」で薬効成分はジクロルボスとあった。ジクロルボスはリン酸ジメチル2,2-ジクロロビニルとかDDVPとかいくつか呼び名があるが、国内では農薬として野菜、果樹等
に使用されており、また畜・鶏舎内等の衛生害虫駆除にも使われていることが分かった。それならばカランコエにも害はなかろうということで、早速試してみることにした。

 ジクロルボスは「毒物及び劇物取締法」の劇物に指定されているため、バポナの購入にあたっては薬局で取り扱いの説明を受けて購入することになる。上記にあげた商品名のとおり、薬剤の外観は塩化ビニルの黄色いプレートである。これを吊るしておくと周りに薬剤が揮発して効果をもたらす。
 さて、11月から4月にかけて、ベランダのカランコエはフレームにビニールをかけて閉じ込めておくわけだが、その閉鎖空間でこのバポナを使えばカイガラムシたちを一掃できるのでは、というのが今回の作戦である。投与量と空間体積の関係で濃度の問題があるが、1週間で効果が出るのでダメもとで試す価値はあるだろうということでやってみた。

バポナの装丁と本体(狭い空間で使用する為、プレートを切って使用)IMG_0521.JPGIMG_1236.JPG

フレーム内に吊るしてみたIMG_0597.JPG

フレームのビニールシートは毎週末入り口を開けて水やりや湿度調整の換気をするので、ジクロルボスの濃度はその度に下がるがプレートの効果は1ヶ月以上続くので何とかなるだろうと2019/12/1にフレームにバポナを吊るした。効果の確認は4月にビニールを外してからとなる。
そうこうして1ヶ月半が経過する少し手前、いくつかのカランコエに異常が見られた。葉がボロボロと落ちてしまうのだ。種としてはミロティ、テヌイフローラ、バリフォリアなどである。直感的にジクロルボスの濃度が高すぎるのではないかと思い、1/13に全てのボポナをフレームから撤去した。
 本当の原因は不明なまま、果たして葉の落ちたカランコエは徐々に回復していった。そこでもう一つ確認のため、室内に置いておいたカイガラムシの発生したカランコエとボポナを小さなビニール袋に入れ、1週間後に見るとカイガラも死んでいたが、カランコエも腐っていた。やはり高濃度だと植物にも害があるようだ。種によって耐性がまちまちなので、今後の課題だ。

カランコエ+ボポナを袋詰めIMG_1250.JPG

カイガラムシは退治できたが、、、植物も死滅IMG_1349.JPG

 なんだかんだと問題はあるものの、4月にビニールを取り外して中の植物たちを確認したところ、生きたカイガラムシは発見できなかった。かくてボポナ作戦は成功したが、思わぬオチがついた。室内組のカランコエは良く検査して4月に外に出したが、見落とししたカイガラムシが残っていて、気が付くとベランダのフレームに入れてバポナ処理した植物にも飛び火していた。かくて果てしなき戦いは今年も続くことになったのだった。

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もっと光を [cultivation]


 カランコエを栽培するに当たって、寒さに次いで切実な問題は「光」である。このことは今までも何度か書いてきたが、光が不足すると単に徒長するだけに留まらず、種に寄りけりではあるが葉が下垂したり、花の色が抜けてしまったりする。特に我が国の冬期は(カランコエにとっては)長いため、仕方なく寒さに敏感な種を室内に取り込んで4.5ヶ月に渡る長期隔離をすることになる。休みの日が晴れて気温が10℃を越えればベランダで日光浴させたりするのだが、何しろ長期間なので4月半ばに表に出す頃には光不足で悲惨な状態になっている。毎年、犠牲者も少なからず出る。室内取り込みで保護しているつもりなのに、本末転倒である。
 そこでさすがに今年は一計を案じて、対策を試してみた。大そうな言い方をしたが、要するに誰でも思いつくようなことで、植物育成用と称するLEDを設置してみたのだ。大昔のこと、水槽で魚を飼っていた時に植物育成用の蛍光灯を使うと水草の育ちが良かった記憶があって、なかなかいい案に思えた。今はどんなだかよく知らないのだが、昭和の熱帯魚水槽を知っている人は紫色の蛍光灯を見たことがあると思う。あれが植物育成用の蛍光灯である。

 多少の(正直言うと結構)期待を持って、2種類のLEDを購入した。一つは平面的な照明パネル3枚組のもので、3種の光を組み合わせて全体としては紫色の光に見えるものだ。熱帯魚の蛍光灯を彷彿とさせ期待も高まるものである。もう一つはスタンド式で2本一式のものだが、色は白色でまぁ試してみましょうという感じのもの。これらを植物の頂芽から数cm~15cm辺りに設置し、12時間/日照射した。
 いつものように長々と書いたが、4.5ヶ月を経るまでもなく1ヶ月も経たないうちにLED下のカランコエ達は、いつもの冬と同じく葉を下垂させてしまった。とは言えいつもの冬のように光不足で死んでしまった株はほぼなかった(死んだ株はあるが光不足が原因ではなさそうだ)。

 実験的な導入とは言いながら、例年との比較とか同種の植物を2種の光の下で変化を比較する等の実験的なことはしなかった。なので単に感覚的な「感想」しか述べられないが、白い光のスタンド式の方が成績が良かった。こちらの方が見た目で「明るい」のだ。極めて単純に考えるとカランコエは光の質(波長)より、照度の方が重要であると思えた。
 次の冬はどう対応してみようかと、あと5ヶ月の間に考えねばならない。

 とか呑気なことを書いてしまったが、今のお祭り騒ぎが今後どういう方向に舵取りされるかで、人々の生活は劇的な方向転換を迫られる。既に人生を変えられてしまった人が数多くいるが、今後の世界経済は言うに及ばず、米国大統領選の結果次第では趣味を楽しむこともかなわぬ世界に転じていくかもしれない。今個人に出来るのは、せいぜいおかしなことはおかしいと言い(思い)、同調圧力に負けないことだと思う。
 最近、本題と関係ないこの手の事をよく書いているが、書かずにはいられない状況と感じているので御容赦願いたい。それにしても最近は気力低下で月に1回の投稿しかできない。。。

いかにも植物育成用といった光を放つ平面ライト:かなり薄暗い感じだIMG_2684.JPG
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こちらはスタンド式:範囲は狭いがスポット的に明るくなる3083.JPG

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アルボレスケンスの立て直し [cultivation]

 最も好きなカランコエのひとつであるアルボレスケンスKalanchoe arborescens。カランコエのグループとしてはBryophyllum節の子宝草類が最も好きだが、次点でアルボレスケンスを含むLanigeraeグループだろうか。このアルボレスケンスはお玉杓子のような形のやや肉厚な葉に魅力を感じて、今までに何度か購入している。何年か育てて高さ50~60㎝になった頃、姿は乱れ(まくり)、葉は落ちまくって悲惨な姿となって駄目にしてしまうことが度々あるのだが、もっと小さいときからも危機は訪れる。

 何度か経験したのは葉が薄っぺらくなってきて、やがて筋も目立つくらいに枯れた感じになり、気が付くと根元が朽ちていて根も枯れている状態になっているというものだ。
 これは初夏の気温が上がる頃見られる症状で、急な温度上昇や水やりの失敗(やり過ぎ・断ち過ぎ)が原因かと思われる。本種はマダガスカル南部が原産で乾季・雨季半々の気候帯で育っている。1日の最低気温は乾季でも15℃位あり、昼は30℃になる。降雨量は20mm/月と少なく(東京の冬の半分くらい)、湿度も低い。これを日本では中途半端な気温の下で、中途半端な水やりをしがちであるから障害が起きても不思議はない。

 根元が腐って水を吸えなくなると葉が萎れるから、早めに気づいて処理をする。根は腐っている部分をバッサリ切り落とす。幹の下の方も腐ったり枯れていたら切り口が緑色になるところまで切り戻す。あとは切り口を十分乾かしてから挿し木すれば、草本性カランコエに比べて時間はかかるものの、やがて発根して健康を取り戻す。
 今まで小さな株で2回同様な経験をして、同じように処理して立て直した。もっとも1回はその後水を切らせて枯らしてしまったのだが。。。

健康だった葉が。。160902アルボレスケンスIMG_6407.JPG

萎れてきたと思ったら170617アルボレスケンスIMG_5074.JPG

抜いてみると根腐れしている
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切り口が緑になるまで切り戻し170617アルボレスケンスIMG_5081.JPG

少し水を吸わせてから切り口を乾かす170617アルボレスケンスIMG_5086.JPG

2ヶ月ほどで健康を取り戻す170812アルボレスケンスIMG_5621.JPG


 アルボレスケンスは他の木本性カランコエよりも根腐れした経験が多かったので、書き留めておこうと思った。早期に手を打てば立て直しは難しくない。

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木本性カランコエの室内越冬 [cultivation]

 個人の好みの話でいうと子宝草の次に前回紹介したLanigeraeグループに属している木本性カランコエが好きである。このグループの小型種(月兎耳・福兎耳・ロンボピロサ)は一般的には人気が高そうだが、個人的には木本の方に興味がある。大体月兎耳は色々なタイプがもてはやされているが、文献的な根拠がなく不透明過ぎるので身が入らないのだ。
 話を戻して木本性カランコエだが、成長が遅い上に鉢植えとはいえ背はそこそこ伸びる。現在ベランダでフレームの棚に並べてカランコエ栽培しているのだが、背の高いものは冬にフレームにビニールをかけるとき、どうしても入りきれなくなってしまう。仕方なく他の背丈がある種と共に室内に持ち込むことになる。
 すると家族の冷視線という障害はともかくとして、絶対的な光量不足で(特に木本性は)ひどい状態になる。過去に何度か書いた様にカランコエは光が不足すると葉が丸まったり、更には葉柄部分から下方へ曲がって葉が垂れ下がってしまう。この葉柄から垂れ下がる現象はキンチョウや不死鳥などでも顕著で、最初は原因が分からなかった。園芸店に相談した時も、室内に入れると温度・湿度など微妙に環境が変わるのではないかと言われた。
 そのうち同種の植物をベランダのフレームで越冬させた場合は同現象が起きないことから、温度・湿度よりも光が怪しいと思い当たった。その後、冬の鉢をいろいろ動かしてみて光量不足原因説は確信に至った。
 自分の栽培状況では諸々の環境要因で解決のしようがないことは分かっている。何かのはずみで栽培数が減ったときは、できるだけ戸外で光の当たる環境を与えて植物の健康状態を維持したいと思う。一度下垂した葉は元に戻らないので、見栄えの維持ということもある。

室内で下垂したベハレンシス・ヌーダK. beharensis
ベハレンシス・ ヌーダ PC140394.JPG 
2週間室内に入れただけのアルボレスケンスK. arborescensも既に下垂し始めている
アルボレスケンスIMG_5802.JPG 

 下垂に加えて木本性カランコエの場合、特に特にベハレンシス、アルボレスケンス、ディンクラゲィ、ヴィギエリを室内に入れると、下垂だけに留まらず落葉してしまう。ベハレンシスとアルボレスケンスは下の方の葉からカラカラに脱水していき、干からびて枯れ落ちる。ディンクラゲィやヴィギエリは葉が黄変して透明感が出てきて、触れるとはらりと落ちる感じである。古い葉が黄ばんでポロリと取れてしまうのはカランコエ一般に見られる現象であるが、この場合は葉が殆ど無くなってしまうところが些か過激である。こうなると成長の遅い種だけに翌年回復するのがなかなか難しい。
結論として木本性種は草本性種より光が必要なので、冬季の室内では 陽当たりの良い窓際において、日中は出来るだけ室外に出してあげるのがベターということになる。

下葉が干からびて枯れ落ちるベハレンシス・ヌーダK. beharensis
ベハレンシス・ ヌーダ  P3070042.JPG 
アルボレスケンスK. arborescensも下葉が枯れている
アルボレスケンスP1080255.JPG 
一冬越したディンクラゲィK. dinklageiは葉が殆ど落ち、
ディンクラゲィP5180342.JPG 
ヴィギエリK. viguieriなんぞは葉が1枚しか残っていない
viguieriIMG_3768.JPG

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