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長い冬の始まり [flowers]

 例年ベランダのフレームにビニールをかけるのは、12月上旬から中旬であった。しかし昨年は11月下旬にもう寒さでダメージを受けるものが出て来たので、11月末にビニールをかけた。
 そして今年は11月だというのに街にはコートを着て通勤している人も多く、気象庁の言とは裏腹に寒く感じたので、11/23にビニールをかけた。今度もまた、長い冬になりそうだ。昨年から今年にかけての冬も、この冬もエルニーニョの影響で比較的暖冬だというが、最低気温が緩和されても期間が長いので気が抜けない。何しろ今年は4月初旬までかなりの低温が飛び石的に続いた。
 加えて今年は6~7月の梅雨のシーズンも8~9月のセカンド梅雨(勝手に命名)も、更に11月も曇りや雨の日が多く、日照不足でカランコエは成長が悪い1年であった。これから冬の4ヶ月間、犠牲者なく無事に春を迎えられることを祈りたい。
 室内に取り入れた株は既に光量不足で葉が下垂してしまい、これを「無事」と表現して良いのか悩むところではある。

 さて、大嫌いな冬にもひとつだけ楽しみな事がある。カランコエにとってはフラワーシーズンの到来だ。今年は10月頃からチラホラ店頭で姿を見かけるようになり、現在はポインセチアとシクラメンに押されながらも何とかショップで頑張っている。
 そんな姿を見て応援しなくてはという義務感に駆られ、ついつい2鉢の花ものを購入してしまった。
 ひとつはクイーンローズのアフリカンのシリーズで黄花八重咲きのものだ。欠刻葉に魅かれ、迷う間もなく気づいたらレジに持ち込んでいた。品種名は明記されていないが、アフリカン・サンシャインQ3ではないかと思う。
 この週末に最終回を迎える「エンジェル・ハート」というドラマをたまたま見た時に、そこに出てくるカフェにカランコエが飾ってあるのが気になって即座に録画して繰り返し見てみた。そこには欠刻葉の黄花と赤花が写っていた。ということは、探せばどこかで入手可能であるという期待感を抱いていたが身近なホームセンターで入手できたのはラッキーだった。

八重咲きの黄色い花もなかなか良いものだ
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こういう欠刻葉には魅かれてやまない
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 もう一鉢は一重だろうがまだ花が咲いていない。一見して通常のブロスフェルディアナのハイブリッドとは別の原種の血統が濃く、置き場所がないという住宅事情から暫く葛藤があったが、結局購入してしまった。
花ものに関しては、この冬は幸先が良い。

葉はオーバル
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どんな花が咲くだろうか
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 更に12/13(日)のNHK趣味の園芸でカランコエを放映するというので、早速テキストを買ってきた。同番組では1990年代から2011年まで1年おきにカランコエを取り上げていたが、2011年を最後に途絶えていた。今回は4年ぶりの放送だ。

テキストの表紙は残念ながら力関係でシクラメン
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 講師が小林 功先生でないのは凄~く残念だが、楽しみな事は否めない。これで景気づけて長い冬を乗り切りたい。

ところで先月は暫くの間、こんな国へ行って
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こんなところで苦戦していました。
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殆ど街を見ていないので、カランコエには全く会えませんでした。
ここには固有種のK. schumacheriが自生しているのに残念無念です。

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街角のカランコエ; 6月の長い午後 [flowers]

 2015年の関東地方(日本と言っても一緒?)の夏至は6月22日であった。これを挟む6月中旬から6月下旬にかけて昼の時間が14時間35分と年間で最も長くなる。カランコエは昼の長さが11時間以下にならないと花序が形成されない短日植物なので、10月終わりから2月中旬以外の季節は花芽がつかない事になる。但し、花序が形成されていればその後に昼が長くなっても花は咲く。また、ファリナケアK. farinaceaは例外的に長日植物である。

 ということで、基本的にカランコエは冬に出回る。初夏以降に売っている花ものは昼が短い間に花序が形成されたものか、短日処理したものと言え、出荷数は少なくなるだろう。

 ところがここ2年ばかり、冬に売られているカランコエはかなり少ない気がする。たまたま見て歩いた店が悪かったのかもしれないが、特にこの冬は少なかった。最近冬の花屋はポインセチアや大人気のガーデンシクラメンに埋め尽くされ、その後クリスマスローズが取って代わるという遷移が見られ、カランコエの影はすっかり薄くなっている。
 このままカランコエは表舞台から消えてしまうのではないかと危惧していたが、6月に街角のプランターでカランコエを見かけたので記録しておきたい。季節柄短日処理で開花したものと思われるが、結構な個体数が使われていたので、敢えてシクラメンやクリスマスローズとの競合を避ける商戦を展開しているのかもしれない。

多肉植物のバザール会場となっている五反田のTOC入口で見かけたプランター
7~8個のプランターをカランコエが独占していた
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これはクヌート・イェプセン社のクララだろうか?
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代々木の洋食店でもベゴニアとカランコエてんこ盛りのプランターが!
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  更に代々木の花屋で、4月に購入したボヌールのやや小さな株が15鉢ほど売られていた。花色は私が購入したピンクの他、オレンジ、赤、白(というより薄いピンクか?)の4色が売られていた。4月に見て、黄色かと思っていた花は、オレンジである事が分かった。
こんな時期に売っているとは思わなかったので、不意打ちを食らって置き場所の関係でどうするか葛藤する間もなく、オレンジと白の2鉢を購入してしまった。

オレンジ花のボヌール
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同じく白花だが、白と呼ぶには微妙な色で、別の色設定なのかもしれない
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 要するに今回は季節外れの花ものカランコエに、つい手を出してしまったというだけの話である。最近忙しさにかまけて、この手の安直な記事ばかり書いているが、月一のペースで何とか10月までは続けたいと思う。

付記
 7月初めにボヌールを買った店に行ってみたところ、あろうことかピンク花のボヌールばかり100数十鉢が仕入れられていた。小さな花屋さんで、1種の花をこれだけ仕入れるとは尋常でない。どこかからオーダーがあったのか、代々木でボヌールがブレイクしているのか、興味深い事例である。


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タグ:ボヌール

ベル型カランコエ④ 補足と訂正 [flowers]

 以前俗にベル型カランコエと総称される花卉について書いたが、補足と訂正をしておきたい。
訂正としては、③の記事で紹介したシャンデリアのパープル・レッドの写真のキャプチャーで、この品種が立性であると書いたのだが、その後育てていると半つる性か匍匐性である事が分かった。この冬に蕾が全滅して今年は花を見られないが、来年は吊鉢で再挑戦したい。

自然に任せて伸び放題のシャンデリア
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花は全開するとウェンディにも似ている
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こちらはオレンジの花(マンギニー×ウニフローラだろうか?)
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  次に補足として、②の記事で掲載できなかったグラキリペスの花の写真を載せる。テッサと比較すると違いが分かるかと思う。グラキリペスも過去に2度全滅させていて、夏越しが難しい。去年の夏もせっかく繁茂していた株が壊滅的ダメージを受けた。夏場は室内や日陰に移してやり過ごすのが良いと思う。昨年もそうして何とかサバイバルに成功した。冬に蕾を多く着けたが、湿度不足なのか次々と枯れてしまい、殆ど花が咲かなかった。課題は尽きないものである。

グラキリペスとテッサの花:萼に違いがある
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上手く行ってた株が、8月に無残な姿に
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  最後に①の記事のミラベラの説明の所で、名前だけ載せたハッピーベルのピンク花を入手した。早い話が花屋さんで見て衝動買いしてしまったのだが、ここで紹介しておきたい。ミラベラに良く似ているが葉は異なる。赤花もあるようだが、ピンクの花色はどうやって作出したのか興味深い。

ハッピーベル/ピンク花:この色が新鮮に思える
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ついでに花筒の短いマヤ
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春への扉 [flowers]

 今年は暖冬だ!と浮かれているうちに、春の扉が開いて花序が顔を出し、
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 3月末に長かった冬が終わった。と、安心してベランダのフレームのビニールを外し、カランコエ達は外気に触れた。屋内に取り込んで衰弱しきった植物たちも外に出し、いきなり夜の低温という洗礼を受ける事になったが、それに余りある光の恩恵を受けて生命の萌芽が膨らみ始めた。
 しかし幸せは長くは続かないというありがちなフレーズ宜しく、4月に入って間もなく冬が帰ってきた。4/8は5年ぶりに4月の雪が降り、ここ埼玉では最高気温5℃という真冬並みの寒さであった。また慌てて一旦外に出したものを室内に取り込んだ。
 何かいつまでも恨みがましく冬ネタを続けてしまっているが、この冬ほど期待を持たせては爪痕を残していく長い冬はなかった。今週もうっかり出しっぱなしだったストレプトタンサの芽(頂芽)が枯れてしまった。例年より穏やかではあっても、12月初めから続いた長い冬はやはりカランコエにとっては死の季節だった。
 しかし皮肉な事に日照時間の短いこの冬こそ、カランコエのフラワーシーズンなのだ。比較的暖かな日もあったことから、休みに度々出かけては鉢花を衝動買いしてしまい、気がつくと冬の間に花ものカランコエを7鉢も購入していた。八重咲き3鉢、一重咲き1鉢、ベル型3鉢である。元々カランコエの花に惹かれて始めた趣味なので、店先できれいな花を見るとつい購入してしまうのだ。

 最近購入したもののひとつは、個人的には珍しくフィデス社のピトンと言うバイカラーの品種である。一重咲きだが、花のサイズが大きく色鮮やかで、店先で見たときは衝動買いを自粛する葛藤はあったが結局買ってしまった。何やらサブライム(サブプライムではない)シリーズというそうで、同シリーズのラインナップにはデンタータ・ラベンダーのような紫色のイサノという品種もある。これも欲しいのだが、売っているのは見た事がない。カランコエで淡い紫色の花というのは珍しいのではないだろうか。私の知っている範囲の原種では、カランコエ・ブ―ベティが同じような花色である。
 フィデス社もカランディーバやグランディーバといった八重咲きだけではなく、一重の品種にも魅力的なものがあるので、今後も目を離せない。

Kalanchoe ‘PITON’ これ見たら欲しくなりませんか?
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もうひとつ、この冬の拾いものはカランコエ・ボヌールである。この品種は数年前に出回った(というほど出回ってはいないが)クヌート・イプセン社の八重咲きアフリカン・カランコエによく似ている。八重咲きアフリカンを入手し損ねて失望していたのだが、これを見つけたので何とか気が晴れたと言っても過言ではない。ついでに言うと同社のワイルド・フラワーシリーズも入手し損ねている。
ワイルドフラワーでは、
・デリケート ホワイト ブーケ
・チアフルオレンジ
この2つの品種が気になる。
(今でも入手できるところを御存じの方がいらっしゃれば、是非教えて下さい。)

Kalanchoe ‘bonheur’ さんざん迷ってこの色を買いました
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ショップには黄色い花もありました
葉の形が違っており、来年またあったら買ってしまいそうbonheurIMG_1274.JPG

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ベル型カランコエ ③ウェンディ [flowers]

 花卉として扱われていてベル型(下垂型)の花が咲くカランコエを簡単に紹介しようと思って書き始めたが、余談が過ぎて3回目になってしまった。備忘録的にまとめておく趣旨であったから、大した情報も付加されないまま書き散らかした感じになって。また、特にことわっていなかったが、下垂型の花が咲く種は全てマダガスカル原産である。今回はミニアータ系と不明品種を紹介してこの項目をクローズしたい。

ミニアータ系
 一般的にはウェンディK. 'Wendy'のことである。ウェンディは前回述べたようにJ.J.Karper氏らがミニアータKalanchoe miniataとポルフィロカリクスKalanchoe porphyrocalyxを交配して作出した品種である。双方とも写真でしか見た事のない種であるが、ウェンディとその派生品種の花はポルフィロカリクスには良く似ていて、ミニアータにはあまり似ていない。Karper氏によればポルフィロカリクスの花にミニアータの性質を備えたものと言う。ミニアータの性質というのは、着生植物で匍匐性のポルフィロカリクスに対し、ミニアータは立性であるということだ。だからポルフィロカリクス系とした方がしっくりくるのだが、ウェンディタイプ以外の品種もあるので(ん、あるかな?)仕方なかろう。
 実は今までウェンディは何度も買って、いつもダメにしてしまっている。夏を越せない事もあったり、冬に腐らせてしまった事もある。今度こそと思うが、毎年そう思っている。まぁそれはともかく、何度も買っていると昔のものより花が大きくなったとか、花色が薄くなったとか感じる事がある。これが品種の違いによるものか、環境要因なのかは分からない。
 少なくともその品種と認識してはひとつも見た事がないが、ウェンディを改良した品種がいくつかある。白色覆輪のラブリーズベル、花色が淡いドリームベルズ、ウェンディとの違いが分からないジングルベルズ、花が横向きに咲くハメリンプール、ライムグリーンの葉を持つハーベスト・ムーン、多咲きのホーピング、その名の通りのイエローウェンディなど魅力的な品種もある。海外のサイトでは八重咲きの花も見た事がある。特に(個人的好みで)ハーベスト・ムーンはぜひ欲しいと思っていたが、未だ見た事はない。これを入手する前に、一般種のウェンディを育てる腕前にならないと巡り合えないという事だろうか。

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花色は地味かもしれないが、ゴージャスな雰囲気のウェンディ
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ウェンディの葉

 ウェンディ以外にもミニアータとウニフローラをかけ合わせたティンカーベルのシリーズがある。勿論見た事はない。今週になって元親を知ったので、先週のウニフローラ系の時に言及できなかった。ティンカーベルの他にティンカーベル・エラ、ケリー、ネリーがある。今もこの品種があるのかは分からない。ちなみにコチレドンの間違いでもない。

系統不明なベル型
 情報が得られずに原種が不明確なものにシャンデリアがある。花を見る限りウニフローラ・ポルフィロカリクス・ミニアータのどれかが使われていると思われる。Web上で検索しても様々なタイプがあって、特定の元親交配の品種ではないのかもしれない。自分が知っているのは3タイプで、花色からパープル・レッド、ピンク系?、オレンジ・レッドである。パープル・レッドは立性で、後者2つは匍匐性である。とにかく良く分からない品種なので、ここでは比較写真を載せるにとどめたい。
 葉や植物体を見るとピンク(仮称)とオレンジは同系統で、パープルは別系統のようだ。萼の形状も異なる。この品種について情報をお持ちの方は、御一報頂けると幸いです。

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花の色と萼の形状はバラついています。
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葉の形状やサイズで2系統あります。
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パープルは立性で他の2品種とは姿かたちが異なる。

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