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冬の爪痕 [cultivation]

 毎年全く同じような失敗を夏と冬に繰り返し、いい加減自分の愚かさに呆れるばかりだが、この冬も我が家のカランコエ達は大きなダメージを負っている。
 その前の冬同様に11/23(祝)頃ベランダのフレームにビニールシートをかけたのだが、またしても12月初旬辺りで日射しが強くなりすぎたのか、温度が上がり過ぎたのか幾つかの鉢が重軽傷を負った。それでも今回は前年の教訓を活かしてビニールの下に不織布をかませておいたのではあるが。
 今回一番手痛い犠牲はフミフィカである。3鉢のうち、大きな株の2鉢が枯れてしまった。他にも不定芽を育てているのでこの種そのものが失われることはないが、開花の望みは未来に追いやられてしまった。知ってる人は知っているように、この種の花は知られていない。どんな花が咲くのか興味深い種だ。(密かに個人的にヨ○○○ンさんに期待していたりする)

 その他にも葉焼けのダメージはテトラフィラ、ビッテリ、デフィキエンスなどに及び、前年の二の舞を演じてしまった。
 寒さによるダメージも被害があるが(今年痛かったのはアルボレスケンス)、これらは自然の力に争えないので仕方ない面もある。しかし早くビニールをかけたが故のダメージというのは、ヒューマンエラーに他ならない。次も同じことをやったら、自分に愛想が尽きるだろう。

 冬に受けるダメージには、もうひとつある。室内に取り込んだが故の光量不足だ。前々からこのブログでも触れているように、葉が丸まったり、下垂したり、それはひどいものである。当然徒長も伴う。春になって外へ出しても治るわけではなく、また姿かたちが良くなるまで2、3ヶ月育成しないと見られたものではない。
 特に自分の部屋は暗いので、取り込んだものの殆どが哀れな姿になっている。これもまた冬の爪痕である。
 しかし、ふと気付くと余り姿の変わらないものもある。エンゼルランプやウェンディである。これらの栽培品種の元親はウニフローラK.unifloraやポルフィロカリクスK.porphyrocalyxといった着生植物が入っている。着生種は森林内の樹上や岩肌に着いているため、原産地でも十分陽が当たる環境にいられるとは限らない。そのため、弱光下でも生育できるのではないか。無責任に書いてしまったが、そのように類推している。

 冬も夏もカランコエには大きな爪痕を残していく。
 広い庭で温室を持てない一般人にとって、日本は(というか埼玉は?)カランコエ栽培には適していない土地だとつくづく思う。
 そしてまた今年も春を迎える。

無残に焼け死んだフミフィカ
humifica damaged.jpg 
凍死したアルボレスケンス
arborescens dead.JPG 
光がないとこのような哀れな姿に
下垂した葉
下垂した葉.JPG 
丸まった葉
丸まった葉.JPG 


ブリオフィルムのそうか病 [cultivation]

 植物の栽培法については知識がなくて、かなり限定的な情報をもとに手探り状態である。というより時間や場所や余力(­=気力)が足りなくて、ほとんど手が回っていないのが現状である。特に病気についての勉強は全くおろそかだ。ハサミの消毒をこまめに行っているくらいのもので、あとは市販薬(殺菌・殺虫剤)を適当に使っている。その程度なので記事に書くほどの内容や経験でもないのだが、備忘録なので取りあえず載せておきたい。

 もうかなり前の話になるが、20116月に何種かのカランコエの葉がおかしくなった。当時住んでいたマンションのベランダは南向きで、遮光もしていなかったため最初は45月の紫外線で葉焼けしたものと思っていた。しかしやがて葉の表面がかさぶた状に硬化し、更に新芽までいかれてしまうにおよび、慌てて対策する事にした。なにせ週末しか明るい状態で見られないし、自分しか世話をする者がいないので、見識不足と相まって後手後手の対応である。

 症状は写真に見られる通りで、葉だけでなく新芽や不定芽まで侵されている。様々な病原体に寄るこのような症状を総称して「そうか病」というらしいので、これはカランコエのそうか病と言ってもよいだろう。そうかは瘡痂と書いて、かさぶたのことである。病原体は植物の種類によっても異なるようで糸状菌や放線菌などだが、カランコエの場合はまだ報告を見つけていない。もっとよく探せばあるかもしれないが、植物病理学の情報までは手が回っていない。症状は複数の種と個体に現れたのだが、興味深い事に全てブリオフィルム節の植物、それも葉縁に不定芽を形成するタイプであった。

 そうか病自体が便宜上の病名なのだが、ブリオフィルムのそうか病は更に仮称というか、今ここで便宜的にそう呼んでいるに過ぎないので、その点はくれぐれも御了承願いたい。

 先ず2011626日撮影のクローンコエの症状である。クローンコエP626.jpg

不定芽クローンコエ626.jpg

このような症状に対して、真菌が原因かと思って市販薬(ベニカスプレー)やアルコール除菌スプレーを週に1回散布した。アルコール除菌スプレーはハーブ類のハダニ退治にも有効だった。但し、23分後には霧吹きで水をかけ、アルコールを除去しないと植物そのものがダメージを受けるので注意が必要だ。

  こうした治療を続ける事11ヶ月半でカランコエ達は新芽が育ち、変異した部分は戻らないものの病気は治癒する事が出来た。

  以下はクローンコエの治癒経過である (7/97/238/13) クローンコエP709.jpg

 クローンコエP723.jpg

クローンコエP813.jpg

  その他の種の治療前後の状態。治療前は6/26撮影、治療後は7/308/13である。この他にもガストニスボニエリ、モルタゲィかスアレゼンシスか不明なもの、シコロベンケイ、不死鳥も同様の症状と回復が見られた。

ラウイP626.jpg

ラウイ P806.jpg

ラウイ(6/26, 8/6)

錦蝶P626.jpg

錦蝶P730.jpg

錦蝶(6/26, 7/30)

胡蝶の舞錦P626.jpg

胡蝶の舞錦P806.jpg

胡蝶の舞錦(6/26, 8/6)

黒錦蝶P626.jpg

黒錦蝶P730.jpg

黒錦蝶(6/26, 7/30)

不死鳥錦P626.jpg

不死鳥錦P813.jpg

不死鳥錦(6/26, 8/13)

こんな具合でした。どうも改行が上手くいかなくて、ちょっと見にくいけど御勘弁を。

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カランコエは徒長する [cultivation]

 ファリナケアのことを調べる(というか文献を揃える)のにかなり労力を使ってしまい、疲れたので今回は頭の中だけで書ける話題としたい。半分は妄想であるから、これを目にした人は鵜呑みにはしないでほしい。

 さて、ベンケイソウ科ではロゼット状の植物が多肉として人気があるようだ。カランコエにはセミ・ロゼッタの種がごく稀にあるに過ぎないが、これらも含めて実際は地面にそのままロゼッタが生えているというよりは、実際は灌木など木本性の植物で枝の先端にロゼット状の葉がついているのが本来の姿である種も多々ある。

 これらの植物が木立状になると仕立て直してロゼッタを維持するわけだが、それは植物本来の姿ではない。あくまで園芸上の美意識に基づいた処置である。それが良いとか悪いとかいうわけではなく、愛でる植物の姿はひとつに限らないという事である。野山にある植物は非常に美しいが、人の手を加えた庭や盆栽もまた違った美しさがある。個人の好みの問題であるから、正解はない。だから多肉が「暴れて」いても本来の姿に近ければ、そのままにしておいてもよいし、仕立てても良いと思う。個人的には置き場所の問題やら何やらで仕立て直しの必要を感じるし、仕立てた方が格好良いと感じるが、それを他人に無理強いしたくはない。

 話をカランコエに移すと、カランコエは相当暴れる植物である。実を言うと我が家のカランコ達もかなり暴れている。でもそれは自然な姿なのだ。茎が伸びて立ち上がり木本化する種もあるが、草本性のカランコエは伸びて倒れた茎の途中から根を出し、その場所に根付いて再び立ち上がり生育域を広げていくものも多い。だから多くの種では茎が伸びて暴れるのは性質上仕方ない。栽培上の問題はこれを徒長と混同しないことだろう。日当たりの悪い所で水を多く与えるとすぐに徒長するが、これはかわいそうな姿である。伸びるのは構わないが、徒長するのは避けたい。実際には家庭で栽培していると場所の問題もあって、なかなか難しかったりする。徒長してしまったら、仕立て直してあげるのが良いだろう。

 ところでカランコエの茎の途中から発根することはよく見かけるが、これは「気根」なのであろうか。根詰まりや水の与え過ぎで根がいかれている場合や、前述の茎が伸びた場合などによく見られる現象だが、どちらかというと単子葉植物に見られる不定根のようなものではなかろうか。このことは勉強不足で、まだよく分からない。はっきりするまで私自身は「気根」という言い方は止めておこうと思う。

 錦蝶P5180361.jpg

こういうのは徒長ではない

徒長pumila_5447.jpg

こんなのが徒長

ミラベラ IMG_5757.JPG

暴れている姿 

室内_5446.jpg

室内で日に当たらないと葉が丸まってくる


タグ:カランコエ
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