光と色彩 [flowers]
【時節柄、このような能天気な記事をアップするのにためらいがありますが、御容赦ください。】
シュタイナー教育みたいなタイトルだが、今回はただの短いメモである。シュタイナー教育などという言葉を使うのは唐突過ぎるようだが、ルドルフ・シュタイナーと言えばゲーテ、ゲーテと言えばセイロンベンケイソウということで私の中では無理やり繋がっているのである。(訳がわからないという人も多いと思うので、「シュタイナー ゲーテ セイロンベンケイソウ」とかで適当にググってみて下さい。)
さて、本題。冬の間室内に取り込んだカランコエは、何度もしつこく書いてきたように葉が下垂し、丸まり、哀れな姿になっている。それに加えて、花の色が変わることもある。
これは主にベル型の花が咲くカランコエで見られる現象だ。ここでまた脱線するが、「ベル型」という表現にはどうも個人的に抵抗がある。というのもここで言うベル型は、ウェンディやウニフローラ、百歩譲ってミラベラ等のことを指すのだが、これらはBryophyllum節やKitchingia節である。(ミラベラやそれに類似した品種はKalanchoe節とBryophyllum節の交配種である。)これらの節の花は下垂して咲くその姿から「ベル型」と言われるのであろう。
ところがKalanchoe節も花を横から見ると、「ベル型」カランコエと同じような形のものがある。これらも「ベル型」と言えなくもないだろう。しかし、そんなことを言いだすと面倒なので「ベル型」といえばBryophyllum節やKitchingia節と暗黙のうちに決められているようだ。要は花の形ではなく、向きなのだ。
というわけで今後は気がついたときには「ベル型」ではなく、「下垂型」とか呼びたい。
話がそれたがブロスフェルディアナ系の花ものに比べ、ベル型の花は花持ちが悪い。購入した時は素晴らしい姿でも、2週間もすると貧しさがにじむようになり、3週間経つとかなりみすぼらしくなる。そこへいくとブロスフェルディアナ系は1~2ヶ月は平気で花が持つので良い。中国語では長寿花と呼ばれるが、この花持ちの良さ故の名前なのかは全く知らない。
また話がそれてしまったが、その短命の下垂型の花にはもう一つ欠点がある。ミラベラ等Kalanchoe節の血が入っている交配種はそんなこともないのだが、Bryophyllum節やKitchingia節の花ものは日光に当たらないと(室内に置いておくと)色が褪せてしまうのだ。蕾の状態から光不足の花は言うに及ばず、既に美しい色で咲いている花も暗い場所では日ごとに色が薄くなる。こうなると何だか悲惨な感じだ。
厄介な事に一度抜けた色は、再び光に十分当てても殆ど復活しない。本当に悲しい。
そこでカランコエと言えば「もっと光を!」(ゲーテ)とつながるのである。
Kitchingia節のグラキリペス<サンライズ>K.gracilipes
ちょっと写真の光の具合が悪いが、色が抜けたのが分るだろうか。
要するに2枚目の写真のような色になってしまうのだ。
話のついでに、先日学芸大学を歩いていると何やら美しい覆輪のセイロンベンケイソウが目についた。しかしこれは露地栽培のため寒さに当たったのが原因の一時的なものと思われる。我が家のシコロベンケイでも同様な現象が起きている。
寒さに当たったシコロベンケイK.daigremontiana、ずっとこのままだったら良いのに。
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