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Wikipediaを添削 [others]

 正直に言うと、Wikipediaの記事をそのまま信じてしまうことは多々ある。しかし、前提としてわかっていることではあるが、これはどこの誰とも知らない人が勝手に書き込んでいるものなのだ。それでも大半の記事は大変しっかりしているように見える。なのでついつい本気にしてしまうのだが、時々とても駄目な記事があったりする。何故か私の専門関連の記事はひどいものが多く、カランコエ関係も例外ではない。
 日本語のWikipediaでカランコエ関連の記事には以下のようなものがある。
カランコエ
キンチョウ
コダカラベンケイ
セイロンベンケイ
ベニベンケイ
リュウキュウベンケイ
 多くの項目は殆ど見るべき情報がなく、細かいことは見逃すとしても(例えば分布情報の抜け漏れなど)、明らかな間違いについて修正を試みたい。では上記項目を順に見てみよう。

❒カランコエ
・「花弁は5枚でやや反り返っていて、星の形に開ける。」
⇒ 花弁は4枚である。種によって反り返りがあったりなかったりする。
・「一般に園芸店などで扱われるのは、ベニベンケイであることが多い。」
⇒ ベニベンケイを基にした交配種、または栽培品種が正しい。カタカナでベニベンケイと書くと種名なので、正しくない。ベニベンケイそのものは超が付くほどのレアもの。
・「コチョウノマイ(胡蝶の舞) Kalanchoe laxiflora = K. crenata = K. fedtschenkoi = Bryophyllum crenatum」
⇒ K. crenataとK. fedtschenkoiは全くの別種
・「リュウキュウベンケイ(琉球弁慶) Kalanchoe integra」
⇒ 学名はKalanchoe spathulata、Kalanchoe integraは別種で現在はKalanchoe deficiensのシノニムとなっている

❒キンチョウ
 この項ではBryophyllum属としていて、上記カランコエの項ではBryophyllumをKalanchoeに含めるとしていたので、矛盾がある。
英名としてdevil's backboneが挙げられているが、これはシコロベンケイの英名。

❒コダカラベンケイ
 この項もBryophyllum属としている。写真は本種ではなく子宝草=クローンコエ

❒セイロンベンケイ
・「原産は南アフリカだが、現在では熱帯地方各地に帰化している。」
⇒ 原産はマダガスカル。キンチョウに比べると南アフリカでは限られた3地域に帰化しているに過ぎない。
・「はじめは単葉だがよく育つと三出-単羽状複葉となる。」
⇒ 3~5枚小葉の羽状複葉となる。

❒ベニベンケイ
 特筆すべき間違いはないが、他種との交配による栽培品種を「変種」としているのは間違いで、栽培品種をこの学名で呼ぶのも誤りである。

❒リュウキュウベンケイ
・「リュウキュウベンケイ(琉球弁慶、Kalanchoe integra)」
⇒ 繰り返しになるが学名はKalanchoe spathulata。
本項目は国内の絶滅危惧情報等があり、まともである。

こうしてみると大して間違っていないように見えるが、元の情報そのものが非常に少ないのも一因である。こんなところで揚げ足取りするよりWikiを修正した方が有意義かもしれないが、登録するのも面倒だし誰も困らないと思われるので、安易な道を選ばせてもらった。

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