子宝草目録2-⑦ Suffrutescentes/バラの鋸歯 [taxonomy]
前々回からの続きでロゼイの変種のうち基変種を除いた鋸歯が目立つ一群について見てみる。Kalanchoe rosei ssp. serratifoliaの一群である。この仲間は自然交配種と考えられるリショーイKalanchoe ×richaudiiやラウイ“rauhii”を含めてマダガスカル南東部の辺りに集中して見つかっている。この仲間を(インサイダー情報なしに)区別するのは混乱の極みである。
まずはセラティフォリアK. ssp. serratifoliaとバリフォリアKalanchoe rosei ssp. variifoliaの差異であるが、前者は葉柄が不明瞭で鋸歯も葉柄近くにはない。後者は明瞭な葉柄を持ち、葉縁全体に鋸歯がある。以前書いた記事ではShaw(2008)に従ってラウイ“rauhii” = variifoliaと紹介してしまったが、これは将来訂正されるであろう。(参考:カランコエ・ラウヒー(ラウイ)http://kalanchoideae.blog.so-net.ne.jp/2014-03-15)
では以前は亜種セラティフォリアの変種とされ、取りあえず現在はロゼイの変種とされているseyrigiiはというと、取りあえず下の写真のようなものとされていたが、
どうやらこれもバリフォリアvariifoliaのひとつの型か、もしくは未記載の変種あるいは交配種の類であろう。ちなみにこの植物は葉をちぎって土の上に伏せて置いても不定芽を生じるまでに非常に時間がかかる。私も試みたが、不定芽が生成されるまでに1か月以上かかっている。本物のseyrigiiについてはここでは書けない事情があるので割愛する。
どうやらこれもバリフォリアvariifoliaのひとつの型か、もしくは未記載の変種あるいは交配種の類であろう。ちなみにこの植物は葉をちぎって土の上に伏せて置いても不定芽を生じるまでに非常に時間がかかる。私も試みたが、不定芽が生成されるまでに1か月以上かかっている。本物のseyrigiiについてはここでは書けない事情があるので割愛する。
さて、残るは自然交配種のリショーイK. ×richaudiiとラウイ“rauhii”であるが、両者ともマダガスカル南東部で採集されており、前者はトラニャロTôlanaro産(原記載ではTalanaro)、後者は新種記載されておらず詳しい産地は不明である。ラウイは以前書いたようなK. rosei ssp. variifoliaではなく別種であり、出回ってはいるが未記載種なのだ。なので学名はなく、かといって正式な栽培品種名もないため、ここではとりあえず“rauhii”と表記している。ヨーロッパでは“Lucky Bells”として流通していると言われるが、花と葉を見ると微妙に異なる2型があるように思える。
リショーイもラウイもロゼイ×錦蝶と考えられているが、次のような差がある。リショーイはラウイと比較すると葉身が割合として細長く、葉柄は不明瞭、鋸歯は葉縁全体にはなく、花弁の先はフェッシェンコイのように開く。
リショーイもラウイもロゼイ×錦蝶と考えられているが、次のような差がある。リショーイはラウイと比較すると葉身が割合として細長く、葉柄は不明瞭、鋸歯は葉縁全体にはなく、花弁の先はフェッシェンコイのように開く。
ロゼイの仲間については消化不良気味ではあるが、この程度に止めたい。
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