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カランコエと紅葉 [others]

 多肉植物の楽しみの一つに紅葉があるという。紅葉というと秋に我が国の野山を彩るあれである。ネット上で調べてみると、これは植物の葉が老化して落葉前に変色する老化現象だという。一部の常緑樹や草本にも見られるというから、一般的な多肉の場合はこの辺りに相当するのであろう。
 葉の変色後の色でアントシアニンによる「紅葉」、カロテノイドによる「黄葉」、タンニン性物質の蓄積による「褐葉」に分けられるそうだ。広葉樹の葉が黄色く染まり、美しい落ち葉が溜まっている光景はイチョウ並木などでお馴染みだが、ふと夏の暑さにやられてイチョウよろしく葉が黄色くなり、バタバタと落葉してしまった着生カランコエのことを思い出した。以前のブログ記事でこれを揶揄して「紅葉」と書いたことがあったが、メカニズムとしては本当に紅葉と言ってよいのだと思う。但し、その後植物がダメージから回復せずに枯れてしまったりするので、とても楽しむ気にはなれない紅葉である。
 夏のダメージの他にも死に際の葉が黄色くなる種は多く、カランコエにおいては「黄葉」は一般的に見られると言えるが、観賞の対象ではない。
 では「紅葉」はどうであろうか。紅葉と書いてモミジと読む。モミジと言えば冬もみじ、この種は冬には紅葉が楽しめる。鮮やかな赤ではなくうっすらと赤みを帯びる程度だが、なかなか美しい。赤くなる種で顕著なのは朱蓮と赫蓮であろう。真っ赤に染まった赫蓮も、葉の裏表で赤と緑のコントラストが美しくなる(ことがある)朱蓮も共に観賞価値が高い。

冬もみじはうっすらと赤くなる程度
laciniataP2260414.JPG 
紅葉している朱蓮
朱蓮P4290029.JPG 

 一方ブリオフィルムはというと、葉がピンクに染まるフェッシェンコイの斑入りなどは特に美しい「紅葉」と言えるだろう。マロモコトレンシスも紅葉するが、色合いは微妙である。
 しかしカランコエ節には珍しい「褐葉」種もブリオフィルムには見られる。K. miniataやK. inaurataは美しいチョコレート色に変色する。単に枯れ葉色というのとは違った趣のある色で、得も知れぬ深みを感じる。

ピンクの紅葉K. fedtschenkoi 'Variegata'
fedtschenkoi IMG_9191.JPG 
K. maromokotrensisも紅葉する
maromokotrensis  sub-adulteIMG_4879.JPG 
K. miniataは褐葉の代表
peltigera-like miniataIMG_4791.JPG 

 上記以外にも明確な紅葉はしなくとも葉縁の赤い縁取りが鮮やかになるとか、少しだけ色づく種もある。もしくはK. rubellaのように模様の部分が紅葉するなんていうのも魅力的だ。嫌いな冬も各種の開花に加えて、またひとつ密かな愉しみが増えたようだ。

模様が鮮やかに際立つK. rubella
rubella IMG_0545.JPG 

タグ:紅葉
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