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ファリナケアとスカピゲラ 追記 [taxonomy]

 先日、表題の2種に付いて書いたがwebでいろいろ検索していると、スカピゲラの名で別な植物が流通しているようだ。楕円形の葉は対性で一見カランコエに見えなくもない。しかし更に調べるとクラッスラ・ムルティカバと称される植物のようだ。これが本当にCrassula multicavaなのかどうかは分からないが、花の写真も見る事が出来たのでカランコエ属でない事は確認できた。件の花は花弁が4枚で雄蕊も4本(1環)であるが、カランコエは雄蕊が2環なので当てはまらない。またカランコエ属の花もバリエーションはあるが、何種も見慣れていればスカピゲラ(クラッスラ・ムルティカバ)の花には違和感を覚えるだろう。動物の分類ではこの手の感覚は侮れないのだが、植物でも多少は有効なのではないだろうか。

 これが何故カランコエのスカピゲラと認識されてしまったのか全く分からないが、海外のサイトではこの間違いは見られなかった。正確に言うと見つけられなかった。おそらく日本国内での誤認ではなかろうか。

 このことを調べている際に、運よくアンゴラの本物のKalanchoe scapigeraの標本写真をいくつか見つけた。1枚はかのWelwitsch自身が1859年に採集したタイプ(基準標本)である。勿論、さく葉標本なので質感などは分からないが、確かにロトゥンディフォリア(白蝶の舞)に似た感じで花序も大変長い。ファリナケアとはあまり似ていないのではないかと思えた。

URLhttp://plants.jstor.org/specimen/bm000649713

 

 一方ファリナケアの方も「ファリナセア錦」という植物が出回っているようだ。現物を見た事がないのでよく分からないのだが、ひとつ確実なのはファリナケアの斑入りではないということだ。稀に花の写真をブログに載せている方がいて、それを見る限りではカランコエ属のようだ。しかしファリナケアの花とはまるで異なる。花序も長くロトゥンディフォリア(白蝶の舞)によく似ていて赤い花が咲くようである。

 


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